風水は良い気を集めて良好な環境を整えることで運気をつかむことを目的としています。
そして、私たちの身の回りにあるあらゆるものは、陰陽説や五行説を基本としており、自然界は、「木、火、水、土、金」の五つに分類することができます。
今回は、私たちの身の回りにある建材・素材の吉凶についてとりあげます。
五行について
「五行(=この世界は、木、火、土、金、水という5元素から成り立つと考えたもの。)」で分類し解説することができます。
それが栄枯盛衰し結び合い、さらに循環することによって、あらゆる現象が起こると考えられました。
例えば、陸地はアフリカ大陸、ユーラシア大陸、アメリカ大陸、南極大陸、オーストラリア大陸などの「五大陸」で表現。
また、私たち体の内臓は「肝・心・脾・肺・腎」を五臓で表しています。
このように、万物は木、火、土、金、水という五行から成り立っています。
建材・素材と五行
主要な建築やインテリアなどの素材についても、それぞれ五行の気を持っており、五つに分類することができます。

木: 木材、紙、竹、藁、い草など。日本の高温多湿な気候に適している。(吉)

火: 塩ビ、ビニールクロス、プラスチックなど。現代では、内装材などでよく使用されている。(凶)

土: 土壁、土間、タイル、石など。日本の高温多湿な気候に適している。(吉)

金: スチール、ステンレス、アルミなど。主に建具金物などに使用されている。(凶)

水: 鏡やガラスなど。外装・内装材などで使用されている。(凶)
その地域の気候・風土に適している材料が吉
建築材料などは、元々それぞれの地域の気候や風土が育てた木や土の気に分類される自然素材を使用している場合がほとんどでした。
日本では、夏季の高温多湿な気候で快適に過ごすため、住宅の開口部を大きくし、通気性の良さを重視する傾向にありました。
さらに、雨量が多く植生が豊かで樹種が豊富であり、容易に木材を入手することができる環境にあったため、木造の架構式構造が普及していきました。
しかし、20世紀以降、かつてのような木材、石、煉瓦などではなく、鉄筋コンクリートやガラスを使用し、直線や平面で構成される建築物が広まっていきました。
そして、現代では人工的な素材の中に接着剤や塗料など、シックハウス症候群などの原因物質を含んでいたものや、石油などを原料として作られた火の気の素材などの中で、有害物質を含むものなどがあります。
そのような中で、無垢材などの自然素材は素材感の良さだけでなく、有害な物質を含まない安全なものとして見直されてきました。
豊かな自然と高温多湿な日本の気候風土に適したこれらの自然素材は、積極的に取り入れられてきています。
金・水・火などに分類される人工的に作られた素材により、昔では考えられないような複雑な建築が生まれたり、大量生産が可能になったり、メリットがたくさんあります。
ですが、やはり風水的に考えてみると、私たち人間にとって、木材、紙、竹、藁、い草、土、石などの元来から存在する自然素材に勝るものはないのです。
ぜひ、快適な空間を求めて、自分の身の回りにある素材について考えてみませんか。